【医師監修】遅漏の改善方法7選!原因別に改善・治療方法を徹底解説
遅漏とは? 遅漏の基本知識
遅漏の定義
遅漏とは、性行為での射精が本人の意図よりも遅い状態を指します。 遅漏の定義には万国共通の基準はありませんが、 国際性機能学会では「腟内に挿入してから射精するまで20-25分を超える性行為で、煩わしさや苦痛をともなうもの。」としています。
自慰行為では問題なく射精できるが、性行為と自慰行為で差があることが「遅漏」の特徴であり、 性行為で射精できない場合は、「腟内射精障害」といいます。
腟内射精障害は、遅漏が重篤化した状態であり、不妊の原因にもなります。
遅漏に明確な時間の基準はない
遅漏を定義する明確な時間の基準はありません。 射精の遅さに、本人もしくはパートナーがストレスを感じているかどうかで決まります。
逆に、射精までに時間がかかったとしても、互いに楽しめているのであれば遅漏ではありません。 そのため、パートナーと性行為や射精の遅さ・タイミングについて話し合うことができているかも重要になります。
遅漏の主な原因は誤った方法でのマスターベーションであり、遅漏の改善には、射精トレーニングが有効です。
心理的な原因の場合、パートナーと協力して改善に取り組む必要があります。
TENGAヘルスケアによる調査
- 女性の理想の挿入時間は9.7分
TENGAヘルスケアが2017年に女性449人(平均年齢42.7歳)を対象にした調査によると、 女性が理想とする挿入時間は9.7分でした。 - 成人男性の約6.6人に1人が遅漏
同TENGAヘルスケアの調査では20−70代の男性のうち、15.2%(約6.6人に1人)が自分のことを「遅漏気味だ」「遅漏だ」と回答しています。 - 腟内射精障害(重症な遅漏)
性行為で射精できないと回答した割合は5.8%(約20人に1人)でした。
遅漏の原因は? 3つのタイプ別に解説
遅漏は主に以下の3つのタイプに分類されます。
鈍麻性遅漏 不適切な自慰行為によるもの
不適切な自慰行為(マスターベーション)が原因で発症する遅漏です。
遅漏の原因の5割以上を占めており、通常の性行為では十分な刺激を感じられなくなることで射精が困難になります。
- 強グリップ:強く握りすぎている
- 高速ピストン:早く動かしすぎている
- 脚ピン:脚をピンと伸ばし、力を入れた状態で射精している
- 床オナ:床や枕などに擦りつけ、圧迫刺激する自慰行為
- 振動オナニー:電気マッサージ機による振動で陰茎を刺激する自慰行為
鈍麻性遅漏を改善するためには、適切な方法でのマスターベーションが必要になります。
衰弱性遅漏 加齢や体力低下によるもの
加齢による身体機能の低下が原因で生じる遅漏です。
40代以降の男性に多く見られ、以下が原因となり引き起こされます。
- 基礎体力の低下
- 性機能の低下
- 神経機能の低下
- 男性ホルモンの低下
また、加齢によって勃起力の低下が原因となることもあります。 勃起時の硬さが十分でないと腟内からの刺激が弱くなり、射精に至るまでの時間が長くなるためです。
いわゆる「中折れ」と呼ばれる状態です。
中折れの症状が原因で遅漏となっている場合、勃起補助薬を服用することで勃起障害が解消され、遅漏の改善に繋がることもあります。
衰弱性遅漏を改善するためには、生活習慣を見直し、必要に応じて薬や漢方などの服用が必要になります。
心因性遅漏 ストレスによるもの
心理的なストレスが原因となる遅漏です。
男性の勃起と射精には自立神経系の適切な働きが必要なのですが、
妊活でのプレッシャーや性的なトラウマ、パートナーとの関係悪化などが原因で、自律神経系が乱れると、勃起や射精が困難になります。
障害となる心理的な問題が解消されれば改善が見込めるため、主にパートナーとのコミュニケーションが重要です。
心因性遅漏を改善するためには、心理的なストレスの軽減が必要になります。 自力での改善が難しい場合は、カウンセリングも検討してください。
遅漏の改善方法
1. 適切なマスターベーション法の習得(鈍麻性遅漏向け)
遅漏の原因の多くは不適切なマスターベーションにあると言われています。 遅漏を改善するためには、適切なマスターベーション方法を知り、身につけることが重要です。
実践しやすいおすすめの方法を2つ紹介します。
・コンドーム・マス法
コンドーム・マス法は、腟内の感覚に近い環境で行うマスターベーション方法です。
具体的な手順として、まずコンドームの内側に少量のローションを塗布し、陰茎に装着します。
この状態で優しい圧で刺激を続けることで、実際の性交時の感覚に近づけることができます。
・低握力スラスト運動
低握力スラスト運動は医学的に正しいとされている自慰行為の方法です。
陰茎を卵を握るような優しい力で握り、実際の性行為と同じようなペースでゆっくりと刺激を与えます。
実践する際には以下の点を意識しながら行いましょう。
- 陰茎と手の動きの軸は揃える
- 握力は卵を握る程度の優しい力で行う
- 動作の速さは実際の性行為と同程度にする
- 足は曲げた状態を保つ
2. 射精コントロールトレーニング(鈍麻性遅漏向け)
セマンズ法とスクイーズ法(スクイーズテクニック)の2種類があります。
どちらも射精しそうになったタイミングで刺激をやめて、射精のタイミングをコントロールできるようになることを目的とします。
早漏の改善方法として知られていますが、トレーニングを繰り返すことで、射精タイミングを自らの意思でコントロールできるようになり、
遅漏改善にも有効なトレーニングです。
一人で取り組んでも効果はありますが、パートナーと協力して取り組むことでより効果的になります。
・スクイーズ法(スクイーズテクニック)
- 陰茎に刺激を与える
- 射精のタイミングが近づいてきたら、刺激の強さやペースを緩める
- 亀頭と亀頭の根本を射精しないように握り維持する
- 射精感が落ち着いたら刺激を再開する
- ①〜④を3セット繰り返した後、4回目で射精する
トレーニング時に繰り返しすぎると逆行性射精を引き起こす可能性があるため、3〜4セットを目安に実施しましょう。
・セマンズ法(ストップ&スタート法)
- 陰茎に刺激を与える
- 射精感が近づいてきたら刺激を中止する
- 射精感が落ち着いたら刺激を再開する
- ①〜③を3セット繰り返した後、4回目で射精する
スクイーズ法との違いは射精直前で陰茎を圧迫しない点で、セマンズ法の場合、逆行性射精のリスクは低くなります。
ただし、陰茎の圧迫を行わないことで、トレーニング中に射精してしまう可能性があるため、自分の感覚を掴む必要があります。
3. トレーニンググッズ『メンズトレーニングカップ』の利用(鈍麻性遅漏向け)
TENGAヘルスケアの『メンズトレーニングカップ フィニッシュトレーニング』を使ったトレーニング方法です。
最も刺激の強いレベル1のカップからスタートし、徐々に刺激の弱いカップ(レベル1→レベル2→レベル3→レベル4→レベル5)でも射精できるようにトレーニングを行います。
■『メンズトレーニングカップ フィニッシュトレーニング』を薦める理由
- 外側が固いので握り込めず、強グリップを予防してくれる。
- 強~弱の5段階構成で、実際の性行為に近い刺激に徐々に慣れることができる。
- 医療機関での使用/研究実績に基づいた、トレーニングガイド付き。
適切なマスターベーションに切り替えるといっても、長年習慣化されてきた方法を変えることは中々難しいです。 そのため、適切なマスターベーションを身につけるための「きっかけ」としても有効です。
『メンズトレーニングカップ』を使った、腟内射精機能障害で悩む16名を対象に行った臨床試験では、16名中15名(93.8%)が性交渉で腟内射精が可能になっています。
また、この商品は同じくTENGAヘルスケアから発売されている『トレーニングテトラ』に装着して、腰振りの練習もできます。
腰の振り方が下手で快感を得られず、もしくは途中で疲れてしまって遅漏になる人はたくさんいます。そのような方へは特に、腰振りの練習はおすすめです。
4. 勃起補助薬<ED治療薬>(衰弱性遅漏向け)
勃起補助薬(ED治療薬)は勃起力を強く持続させるため、衰弱性遅漏の改善に有効です。
加齢や性行為中の疲労からくる勃起力の低下(中折れ)を防ぎ、硬さを維持することで遅漏の改善につながります。
これらの治療薬にはそれぞれ特徴がありますので、医師に相談の上自分に合った薬を服用しましょう。
- バイアグラ:
食事の影響を受けやすく、空腹時の服用が推奨される。 - レビトラ:
効果発現が早く、食事の影響を受けにくい。 - シアリス:
効果の持続時間が長く、食事の影響を受けにくい。
5. 漢方薬(衰弱性遅漏向け)
遅漏に直接効く漢方薬は存在しませんが、体力低下などが原因となっている衰弱性遅漏の場合、以下の漢方薬が効果を期待できます。
- 補中益気湯:
虚弱体質、疲労倦怠、食欲不振などに効果。 - 十全大補湯:
体力低下、疲労倦怠、手足の冷え、貧血などに効果。
どちらの漢方も市販されており、処方箋は必要ありません。Amazonなどでも購入可能です。
6. カウンセリング(心因性遅漏向け)
遅漏の原因が心理的なものである場合、専門医によるカウンセリングが効果的な治療法となります。
カウンセリングでは、性行為に対するトラウマやストレスについて専門医に相談し、具体的な改善策を提案してもらうことができます。
医療機関での相談は完全な守秘義務があり、プライバシーは厳重に保護されますので安心して相談してみましょう。
また、パートナーと一緒にカウンセリングを受けることで、お互いの理解が深まり、より良い関係を築くこともできます。
7. パートナーとのコミュニケーション
「遅漏」は明確な時間の基準はなく、射精の遅さに、本人もしくはパートナーがストレスを感じているかどうかであり、パートナーと性行為について話し合うことができているかが重要になります。
自分が「遅漏」だと思い込んでいるだけで、実はパートナーはあまりストレスに感じていない可能性も考えられます。
性に関する話題は恥ずかしさから避けられがちですが、二人の関係をより深めるためには必要な対話です。
性行為中や直後ではなく、落ち着いた時間帯に、お互いの希望や不安について話し合ってみましょう。
射精がゴールではない
パートナーとの性行為は射精がゴールではありません。
射精を求めすぎることがストレスとなり、より遅漏が悪化する可能性も考えられます。
射精ににこだわりすぎず、パートナーとの性行為を楽しむことがポイントです。
性行為における工夫としては、お互いが心地よく感じられる方法を探っていくこと。
お互いの理解が深まり、より満足度の高い関係を築いていくことが大切であり、焦らずにお互いを思いやる気持ちを持って、段階的に改善していきましょう。
まとめ
遅漏とは、性行為での射精が本人の意図よりも遅い状態を指し、成人男性の約6.6人に1人が遅漏と言われています。
遅漏の改善には、原因(鈍麻性、衰弱性、心因性)を正しく理解し、自分の状態に合った対策を選択することが大切です。
■遅漏の原因別改善方法まとめ
- 鈍麻性遅漏: 不適切な自慰行為によるもの
1.正しいマスターベーション方法の習得
2.射精コントロールトレーニング
3.トレーニンググッズ(マスターベーションエイド)の利用 - 衰弱性遅漏: 加齢や体力低下によるもの
4.ED治療薬
5.漢方薬 - 心因性遅漏: ストレスによるもの
6.カウンセリング
7.パートナーとのコミュニケーション
遅漏の定義は自分とパートナー次第なことを考えると、コミュニケーションが最も重要と言っても過言ではありません。
遅漏は適切なアプローチで改善が可能であり、早めの対策と継続的な取り組みが、遅漏改善のカギとなります。
遅漏を克服できると、快適な性生活が送れるようになり、パートナーともより良い関係性を築けるはずです。
また、遅漏の多くの原因は不適切なマスターベーション(オナニー)であり、当てはまる方は『メンズトレーニングカップ』を試してみてください。
<この記事の著者>
福元メンズヘルスクリニック 院長
福元 和彦(医師)
■泌尿器科医 ■性機能学会専門医 ■抗加齢医学会専門医 ■排尿機能学会認定医
福元メンズヘルスクリニック
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