早漏はなぜ問題なのか?トレーニングの必要性
早漏とは、性行為中に自分の意志よりも早く射精してしまい、射精のタイミングをコントロールできない状態を指します。
膣への挿入前や挿入後1分以内に射精してしまう場合が基準とされることが多いですが、主に本人やパートナーが早いと感じてストレスや不満を抱える場合は早漏とみなされます。
■早漏の主な特徴
・挿入前または挿入直後(1分以内)に射精してしまう。
・自分の意思より早く射精してしまいコントロールできない
・射精が早いことで本人やパートナーがストレスや不満を感じている。
早漏は必ずしも「薬を服用しないと改善できない」ものではありません。
実は射精のコントロール力は、適切なトレーニングを行うことで高められることが多いのです。
薬や特殊なコンドームなどの対策も一時的なサポートにはなりますが、それだけに頼っていては根本的な解決に至らない場合があります。
そこで大切になるのが「トレーニング」というアプローチです。
身体や意識の使い方を少しずつ変えていけば、射精をコントロールする術を身につけることができます。
また、トレーニング以外の対策法と上手に組み合わせることで、さらに効率よく早漏の悩みの解消に近づきます。
「薬だけを使えばそれで良い」という考え方ではなく、自分の身体を理解し、根本を解決するために必要なトレーニングを視野に入れることが大切です。
早漏の種類と特徴
早漏にはいくつかの種類があり、その発生時期や原因によって分類されます。
まず、発生時期による分類として「原発性(終生)早漏」と「続発性(獲得性)早漏」があります。
原発性早漏は、初めての性体験からずっと射精が早い状態が続くタイプで、生まれつきの脳内の神経伝達物質の働きによるものだと考えられています。
一方、続発性早漏は、以前は射精のコントロールができていたのに、何らかのきっかけで突然または徐々に早漏になるタイプです。
早漏の原因は一つだけではない
早漏になる原因はさまざまですが、主に以下の4つが挙げられます。
・過敏性早漏
ペニスや性感帯が非常に敏感なため、僅かな刺激でもすぐに射精してしまう状態
包茎や性的経験の少なさが原因で過敏になってしまうケースも
・心因性(ストレス性)早漏
過去の性体験のトラウマや不安、緊張など心理的な要因によって射精が早くなってしまうタイプ
・衰弱性早漏
加齢や運動不足による筋力低下が原因となり、射精をコントロールする筋肉が衰えてしまうことで起こる
・ED性早漏
勃起不全(ED)が原因となり、勃起を維持できない不安から射精が早まるケース
このように、早漏は「発生時期」と「原因」の両面から複数のタイプに分けられ、それぞれに適した対策や治療法が存在します。
こうした原因を理解しておくことで、「なぜ自分が早漏になっているのか」を客観的に捉えやすくなります。
トレーニングを始める前に、まずは自分の原因をある程度イメージし、取り組むべきアプローチを整理しておきましょう。
早漏を改善するトレーニング法
ここからは、薬に頼らない具体的な対策方法を解説していきます。
主な早漏の具体的対策法として、以下の4つが挙げられます。
・セマンズ法(ストップ・スタート法)
・スクイーズ法
・ケーゲル体操(骨盤底筋トレーニング)
・メンズトレーニングカップ
これらは薬に頼らず、自分自身やパートナーと協力しながら射精コントロール力を高める方法です。
・セマンズ法(ストップ・スタート法)
パートナーから性的刺激を受けて射精が近づいたと感じた時点で刺激を中断し、射精感が落ち着くまで待つことを繰り返すトレーニングです。
これにより、射精感の高まりを自覚し、コントロールする力を養います。
■トレーニング方法
1.まず、パートナーに手でペニスを刺激してもらい、勃起状態にします。
2.射精しそうになったタイミングで、パートナーは刺激を中止し、射精を我慢します。
3.射精感が落ち着くまでしばらく休み、再び刺激を再開します。
4.この「刺激→中止→休憩→再開」の流れを4回繰り返し、4回目は我慢せずに射精。
手での刺激に慣れてきたら、段階的に性的刺激を高めていきましょう。
最初は手による刺激から始め、慣れてきたら実際の性行為(騎乗位、側臥位、正常位)でも実施しましょう。
性行為でも手と同様に、射精感が高まったら動きを止めて休み、落ち着いたら再開するという手順を繰り返します。

・スクイーズ法
ストップ・スタート法の応用で、射精が近づいたタイミングでペニスの亀頭の付け根部分を親指と人差し指で軽く圧迫し、射精感を抑える方法です。
■トレーニング方法
1.まず、自慰行為やパートナーによる刺激でペニスを勃起させます。
2.射精しそうになったタイミングで、亀頭の付け根(カリの部分)を親指と人差し指で約10~20秒ほど、痛みを感じない程度に軽く圧迫します。
3.射精感が落ち着いたら、再び刺激を再開します。
4.この「刺激→圧迫→再開」のサイクルを1回のトレーニングにつき4~5回繰り返します。
圧迫する際は、強く押しすぎないように注意し、深呼吸をしてリラックスすることもポイントです。
スクイーズ法は一人でもパートナーと一緒でも実践でき、週に2~3回、数ヶ月継続することで射精のコントロール力向上が期待できます。
刺激を再開し、再び射精感が高まったら同じように圧迫することを繰り返します。これにより、射精反射を一時的に抑制し、持続時間を延ばす効果が期待できます。
・ケーゲル体操(骨盤底筋トレーニング)
骨盤底筋群を鍛えることで射精のコントロール力を高める方法です。
■トレーニング方法
1.姿勢を整える
仰向け、座った状態、立った状態など、リラックスできる姿勢で行います。
初心者は仰向けがやりやすいでしょう。
2.骨盤底筋を締める
肛門や尿道をギュッと締めるイメージで、骨盤底筋に力を入れます。
この状態を3~5秒間キープ。
3.ゆっくり力を抜く
締めていた筋肉をゆっくりと緩め、リラックス。
緩める時間も3~5秒程度かけて行いましょう。
4.繰り返す
この「締める→緩める」を1セット10回ほど繰り返します。
5.頻度と継続
1日2~3セットを目安に、毎日継続して行うことが効果的です。
トレーニング中は、お腹や太ももなど他の筋肉に力が入らないよう注意し、呼吸は止めずに自然に行いましょう。
慣れてきたら、締める時間やセット数を徐々に増やすことで、さらに効果が高まります。

・トレーニングカップ(Men’s Training Cup)
TENGAヘルスケアさんから出ている『メンズトレーニングカップ キープトレーニング』を使ったトレーニング方法です。
トレーニング方法自体はストップ・スタート法と同様ですが、この商品は、5種類のカップを段階的に使い分けることで、射精のコントロール力を徐々に高めていくことができます。
特に日本では早漏の治療薬が未認可という現状もあり、「薬に頼らずに早漏を改善したい」という方にとって有力な選択肢となっています。
メンズトレーニングカップは、硬さ(刺激)の異なる5種類のカップを順番に使用することで、少しずつ刺激に慣れつつ射精コントロールを習得できるよう設計されています。
Lv.1 … もっとも素材が柔らかく、刺激が弱い仕様
Lv.2~Lv.4 … 徐々に刺激が強くなる中間レベル
Lv.5 … 刺激が強く、本番に近い感覚でトレーニング
特に、刺激に対して敏感になっている方や、通常のマスターベーションでもあっという間に達してしまう方は、最初にLv.1でトレーニングを始めることで無理なく進められます。
いきなり強い刺激に挑む必要がないため、早漏改善初心者でも安心して取り組めるのが大きなメリットです。
併用できるその他の対策とトレーニングの役割
早漏対策としては、厚手のコンドームや感度を抑えるクリーム、心療内科や泌尿器科で処方される内服薬など、トレーニング以外の方法も存在します。
こうした方法は即効性が期待できる場合がありますが、一時的に感度を鈍くする・神経伝達を変化させるなど根本解決ではない可能性もあります。
「早漏の根本的な改善を目指す」ために、これらの対策とトレーニングを上手に併用していくことを推奨します。
そして、「早漏の悩みを軽減しながら、最終的には薬やグッズに依存しない状態に近づける」ことが理想です。
また、早漏にはストレスや生活習慣の乱れが大きく影響します。
下記のポイントを意識するだけでも、トレーニング効果が高まりやすくなります。
・睡眠をしっかり確保する
・ほどよい運動で血行と筋力を維持する
・暴飲暴食を避け、栄養バランスの良い食事を心がける
・ストレス発散の方法(趣味やリラクゼーション)を取り入れる
・パートナーとコミュニケーションを取り、プレッシャーを緩和する
生活習慣の改善やストレスケアは、早漏だけでなく心身全体の健康にも効果的です。
薬やグッズの活用・生活習慣の改善をトレーニングとあわせて実践すれば、相乗効果が期待できます。
まとめ
早漏は多くの男性が抱える悩みですが、日常生活の工夫や適切なトレーニングによって多くの場合改善される症状です。
対策として、射精感が高まったら刺激を中断する「セマンズ法」や、射精しそうなタイミングでペニスの根元を圧迫する「スクイーズ法」は射精のコントロール力を高めるための実践的な方法で、パートナーと協力して行うこともできます。
また、骨盤底筋を鍛えることで射精のコントロール力が向上し、性機能全体の改善も期待できます。
トレーニングは「肛門や尿道を締める→ゆるめる」を繰り返すだけで、日常生活に取り入れやすいのが特徴。
ストレスの軽減や生活習慣の見直し、適度な運動や十分な睡眠、趣味の時間を確保することで自律神経のバランスが整うと射精コントロール力の向上につながります。
日々の生活習慣の改善も合わせて行っていきましょう。
さらに、トレーニングカップを使ったセルフトレーニングも、実際の性行為に近い感覚で射精コントロールを練習できるため、おすすめです。
早漏対策は自分の症状を見定めて適切なトレーニングを行うことが重要です。
自分に合った方法を見つけて、無理なく続けることが改善への近道となります。
ただし、自己判断での改善が難しい場合や症状が長期化している場合は、早めに専門医への相談をおすすめします。
泌尿器科や性機能専門外来で、個々の状況に応じた適切な治療法を提案してもらいましょう。
