早漏

【保存版】早漏の改善方法を解説!原因別アプローチから自宅トレーニング・治療薬まで完全ガイド

はじめに

「早漏(そうろう)」という言葉を耳にして、漠然と「性行為時に早く射精してしまう症状」というイメージをお持ちの方は多いかもしれません。

しかし一言で早漏といっても、その定義や原因はさまざま。

また、早漏に関して「自分はまだ大丈夫」「若いころはともかく今はあまり関係ないだろう」と思っている方もいるかもしれません。

実際には、年齢や性経験の多寡に関係なく発生しうる問題であり、悩みを抱える方が決して少なくないのが現状です。

本記事では、「早漏とは何か」「主な原因やタイプ」「自宅でできる改善方法」などをできるだけわかりやすく整理し、早漏を放置するデメリットや逆に改善した場合のメリットについても詳しく解説していきます。

早漏は、決して「恥ずかしいこと」や「人に言えないこと」ではなく、適切な知識と対策で改善が期待できる問題です。
まずは正しい情報を得て、自分自身やパートナーとの充実した性生活を目指してみてください。

早漏とは?基礎知識と定義

一般的に早漏とは、性行為中に自分の意図とは関係なく、短時間で射精に至ってしまう状態を指します。
国際性機能学会(ISSM)の定義では「挿入後1分以内に射精してしまい、かつそれをコントロールできない状況」が早漏として挙げられています。

ただし、実際には挿入後1分以上であっても本人やパートナーが「早い」と感じていれば早漏に含まれることがあります。
また、早漏は本来「射精のコントロールがうまくできない状態」を示すものでもあります。

そのため「たまたま一度だけ早くイッてしまった」などの単発的なケースとは異なり、本人が継続的に「早い」「制御できない」と感じる場合に早漏として認識します。

日本人男性の3人に一人が悩む早漏の現状

実は早漏に悩む男性は非常に多いといわれています。

ある調査によれば、日本人男性のおよそ3〜4割ほどが「自分は早漏だ」と感じている、もしくは悩んだ経験があると回答しています。
つまり、約3人に1人、もしくはそれ以上の男性が何らかのかたちで早漏に関する悩みを抱えている計算になります。

年齢層を問わず、ストレスや生活習慣の乱れ、性行為に対する不安など、さまざまな要因が重なって早漏の症状が現れることがあります。
特に若い世代では性行為の経験が少ない、または刺激に対するコントロールが未成熟であることから早漏の傾向が強く出るケースが見られます。

一方、中高年層になると筋力の衰えや加齢によるホルモンバランスの変化などから、突如早漏になるいわゆる「後天性早漏」を発症するケースも存在します。

早漏がもたらす身体的・心理的影響

早漏は単に「射精が早い」だけの問題にとどまりません。身体的には、勃起不全(ED)を併発する引き金になることも報告されています。

何度も早漏を経験すると「今回も早くイッてしまうのではないか」といった心理的な不安や緊張状態が高まり、自律神経のバランスを崩して十分に勃起できない状況が生じやすくなるのです。

心理的にも、早漏によって「パートナーを満足させられない」「自分は男性として価値が低いのではないか」という負の自己イメージが強化される場合があります。

このような気持ちを抱えたままだと、性行為だけでなく生活全般にも悪影響を及ぼしかねません。

ストレスや自信喪失が日常生活にも広がり、コミュニケーションや仕事のパフォーマンスを下げることにも繋がり得ます。
こうした身体的・心理的影響を軽視して放置すると、対策や改善のタイミングを失ってしまうことにもなります。

なので、できるだけ早めに現状を把握し、必要に応じて対策を検討することが大切です。

早漏の主な原因とタイプ別特徴

早漏の原因は大きく3つのタイプに分類されることがあります。以下では「過敏性早漏」「心因性早漏」「衰弱性早漏」として、それぞれの特徴を見ていきましょう。

過敏性早漏:刺激に対する過度な反応

過敏性早漏とは、ペニスが敏感になりすぎており、わずかな刺激でも射精反射が起こりやすい状態を指します。

生まれつき亀頭や包皮、小帯(裏スジ)が過度に敏感というケースもあれば、普段から強い刺激に慣れてしまっていて、それを脳が「射精の合図」として学習しているケースもあります。

こうした「脳の学習」は、意図的に射精コントロールの練習をしない限り自然には解除されないことが多いです。

心因性早漏:ストレスや自律神経の乱れ

心因性早漏とは、メンタル面やストレスなどが原因で引き起こされる早漏です。

普段から忙しくて疲れが溜まっている、仕事や人間関係で大きなストレスを抱えているなど、精神状態が乱れているときには交感神経と副交感神経の切り替えがうまくいかず、射精のコントロール力が低下しやすくなります。

心因性早漏の場合は、単に身体的なトレーニングや薬の服用だけでなく、メンタル面でのケアが重要となります。

衰弱性早漏:加齢や骨盤底筋の衰え

衰弱性早漏は、加齢や運動不足などで射精に関わる筋肉が弱くなり、うまくコントロールできなくなる状態です。
代表的なものは骨盤底筋や射精管閉鎖筋の衰えで、これらの筋肉が衰えると射精の抑制やタイミング調整が難しくなります。

特に40代以降の男性に多くみられ、ED(勃起不全)と併発している方も珍しくありません。

改善のためには筋力トレーニングや運動習慣の見直しが効果を発揮することがあります。

自宅でできる早漏改善トレーニング解説

早漏を改善する方法はいくつかありますが、まずは自宅トレーニングから取り組むのがおすすめです。

その中でも代表的なものをご紹介いたします。

スクイーズ法:射精コントロールを身につける

スクイーズ法は、一人で行う早漏防止トレーニングの1つです。

■やり方
1. マスターベーションでペニスを刺激する  
2. 射精感が高まったところで刺激をストップし、亀頭の付け根や裏スジ(包皮小帯)あたりを軽く圧迫する  
3. 再び落ち着いたところで刺激を続け、射精寸前でまた圧迫する  
4. この工程を4~5回繰り返し、最後に射精する  

圧迫そのものは、そこまで強くなくてもかまいません。
目安として10秒ほど圧迫して射精感が収まるまで待ち、落ち着いたところで再び刺激をスタートします。

射精コントロールを身体に学習させるイメージで取り組むとよいでしょう。

セマンズ法:パートナーと行うステップアップ練習

セマンズ法は、パートナーと一緒に行う早漏予防のテクニックです。

スクイーズ法と似ていますが、パートナーにペニスを刺激してもらいながら射精感が高まったところで刺激を中断し、落ち着くのを待つ、という点が異なります。

■やり方

1. パートナーが手や口などでペニスを刺激する  
2. 射精寸前まできたと感じたら合図を送り、刺激を中止  
3. 射精感が落ち着くまで待ち、また再開する  

こちらも数回繰り返して最後に射精します。

パートナーとコミュニケーションをとりながら行うため、興奮度が高い状態でのコントロール練習に向いています。
また、パートナーに積極的に協力してもらうことで、お互いが早漏の課題を共有し合え、性行為の質を高めるきっかけになるでしょう。

ケーゲル体操:骨盤底筋を鍛えて持続力アップ

ケーゲル体操は、骨盤底筋(こうつばんていきん)を鍛える体操で、衰弱性早漏の改善に特に効果が期待できます。

骨盤底筋は排尿や射精に関わる重要な筋肉で、ここが弱ると射精コントロールが難しくなるとされています。

以下、方法の一例です。

1. 仰向けや椅子に座った状態でリラックスする  
2. 肛門をしめるように意識して10秒キープする  
3. ゆっくり緩める  

この工程10回を1セットとし、1日3セットほど続けます。
慣れてきたら回数や秒数を増やしていきましょう。

普段座っている時や電車の中などでもこっそり行えるので、習慣化してしまうことがポイントです。

正しいマスターベーション:不適切な自慰行為のリスク

マスターベーションもやり方次第では早漏の一因となる場合があります。

たとえば「家族や同居人に見つからないように素早く済ませる」という習慣が続くと、脳が「射精は速やかに終わらせるもの」と認識してしまい、性行為時にも同じようなパターンが無意識に再現されがちです。

正しいマスターベーションのポイントとしては、
- 十分に時間と余裕をもって行う  
- 自然なリズムで刺激し、射精寸前でいったん刺激をストップする  
- 強すぎる刺激(過度な握り込みなど)は避ける  

などが挙げられます。

これは、スクイーズ法やセマンズ法のように「射精のコントロール」を学習するうえでも重要です。

トレーニングカップ活用法:段階的に刺激に慣らす

早漏改善トレーニング専用の「トレーニングアイテム」が販売されています。代表的なものはTENGAヘルスケアさんの「MEN’S TRAINING CUP」シリーズで、刺激の弱いものから徐々にレベルを上げていくことで、段階的に射精コントロール力を身につけやすくなります。

特に日本では早漏の治療薬が未認可という現状もあり、「薬に頼らずに早漏を改善したい」という方にとって有力な選択肢となっています。

メンズトレーニングカップは、硬さ(刺激)の異なる5種類のカップを順番に使用することで、少しずつ刺激に慣れつつ射精コントロールを習得できるよう設計されています。

Lv.1 … もっとも素材が柔らかく、刺激が弱い仕様

Lv.2~Lv.4 … 徐々に刺激が強くなる中間レベル

Lv.5 … 刺激が強く、本番に近い感覚でトレーニング

特に、刺激に対して敏感になっている方や、通常のマスターベーションでもあっという間に達してしまう方は、最初にLv.1でトレーニングを始めることで無理なく進められます。

このカップを使いながら、スクイーズ法(ただし亀頭の圧迫はしない)を行います、

ED治療薬

バイアグラやレビトラ、シアリスなどは本来ED(勃起不全)の治療薬ですが、勃起が十分に維持されることで余裕を持って性行為に臨めるようになり、結果的に早漏が緩和されることがあります。

ただし、あくまで射精を遅らせる薬ではありませんので、根本的な「射精コントロール力」を鍛えなければ再発する可能性もあります。
ED治療薬には服用時間や食事の影響、併用禁忌の薬などがあるため、自己判断での服用は禁物です。

必ず医師の診察を受け、指示を守ったうえで利用してください。

包茎治療

包茎の場合、亀頭が普段露出していないことで敏感になりやすく、早漏の原因となるケースもあります。

包茎治療(包皮の切除手術など)によって亀頭が常時露出するようになると、刺激への慣れが進み、結果として射精コントロールしやすくなることがあります。

ただし、一回手術をすると元の状態に戻ることはできず、手術によっては性感帯が切除される場合もあります。
先にトレーニングや薬の使用を試し、それでも改善が難しい場合に、最後の手段として検討するのが良いでしょう。

早漏を放置するデメリットと改善によるメリット

パートナーとの関係性への影響

早漏が継続すると、パートナーとのコミュニケーションがぎくしゃくしてしまうケースがあります。

パートナー側も、不満を感じていたとしても、言い出しにくいデリケートな問題であるだけに、セクシャルな場面以外のコミュニケーションにも陰りが出て、より深刻なすれ違いの原因にもなりえます。

性行為は単なる作業ではなく、2人の信頼関係や愛情を育む重要な場面です。ここに不満や不安が蓄積されるのは望ましいことではありません。

セルフイメージの低下とメンタル面への悪影響

早漏が続くと「自分は男性としてダメなのではないか」という自己否定感が強まるケースが見られます。

こうした自信喪失の感覚は性行為だけでなく、日常生活や仕事など他の領域にも波及し、パフォーマンスの低下を招くことがあります。
とくに、過度なストレス社会に生きる現代において、性行為の満足感は精神的な安定に寄与する部分が大きいといわれます。

性行為によって分泌されるホルモン(オキシトシンやセロトニンなど)には、リラックスや幸福感を得る効果があり、それが早漏によって満足できないとなると、ストレスがさらに増幅される悪循環が起きやすくなります。

改善による性行為の満足度向上

逆に、早漏が改善されれば性行為自体の満足度が高まるだけでなく、パートナーとの関係もより深く、豊かなものになるでしょう。

十分な前戯や刺激に対する余裕ができることで、お互いの快感を高め合うコミュニケーションが可能になります。

性行為に対するポジティブな経験が積み重なると、男性自身はもちろんのこと、パートナーの満足度も向上し、良好な関係性を長続きさせる助けとなります。

つまり、早漏の改善は単なるテクニックの獲得にとどまらず、相互理解や愛情表現の豊かさにも繋がる重要な要素といえます。

まとめ

早漏は、実は多くの男性が悩む身近な問題でありながら、恥ずかしさや情報不足から適切な対処を行わずに放置してしまうケースが珍しくありません。

しかし早漏を放置すると、パートナーシップの不和や男性としての自信喪失につながり、生活全般の質を下げる恐れがあります。

一方、適切な知識と対策によって早漏を改善すれば、性行為そのものへの満足度はもちろん、パートナーとの関係性や自己肯定感の向上にも大きなプラス効果が期待できます。

スクイーズ法・セマンズ法・ケーゲル体操といったトレーニングや、医師の診断を受けての薬物治療や包茎手術など、自分に合った方法を試すことで改善への道筋が開けるでしょう。

本記事で紹介した内容はあくまで一般的な情報であり、個々人の身体状況や悩みの深刻度に応じて最適なアプローチは異なります。

必要に応じてパートナーや医療専門家と協力しながら、焦らず継続的に取り組んでいくことが大切です。

早漏は「一生治らない運命」などではなく、改善できる可能性が十分ある悩みです。

あなた自身やパートナーとの幸福度を高めるためにも、まずは本記事の知識を参考に、できるところから行動を始めてみてください。

<この記事の著者>

福元メンズヘルスクリニック 院長
福元 和彦(医師)

■泌尿器科医 ■性機能学会専門医 ■抗加齢医学会専門医 ■排尿機能学会認定医

福元メンズヘルスクリニック

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