目次
はじめに
「パートナーとの性行為で思うように持続できず、すぐに射精してしまう…」「もしかして自分は早漏かもしれない」と不安を抱えている男性は少なくありません。
性行為の満足度は本人にとってもパートナーにとっても大切な要素であり、早漏の悩みを放置すると心理的ストレスが高まり、さらなる悪循環を引き起こす可能性があります。
早漏の原因にはさまざまな要素がありますが、その中でも普段の「マスターベーションのやり方」が想像以上に大きな影響を及ぼすことをご存知でしょうか。
実は、不適切なマスターベーションの習慣が脳や身体に誤った射精タイミングを覚えさせ、早漏を加速させてしまうケースがあるのです。
今回は、不適切なマスターベーションが早漏を招くメカニズムを詳しく解説し、早漏を改善するために役立つトレーニングや対策方法も併せてご紹介します。
薬に頼らずに自分自身の力で早漏を根本から克服したい方や、マスターベーションと早漏の関係が気になる方は、ぜひ最後までお読みください。
早漏とは?基礎知識と定義
早漏とは、性的刺激を受けてから本人の意思よりも早く射精に至ってしまう状態を指します。
定義としては「わずかな刺激で射精してしまう」「パートナーとの性行為中に本人の意図より早く射精してしまう」「射精のコントロールができない」などが挙げられますが、実際には個人差やパートナーとの相性もあるため、一概に時間だけでは測りきれません。
一般的には挿入後1分以内に射精してしまう場合、あるいは射精をコントロールできない場合などに「早漏」の可能性が高いとされています。
本人が「もっと続けたいのにすぐに出てしまう」と強く感じる状態も早漏に該当すると考えられるでしょう。
不適切なマスターベーションが早漏を引き起こす理由
なぜ、「普段のマスターベーションの仕方」が早漏と関係しているのでしょうか。
ポイントとなるのは、脳と身体が「射精のタイミング」をどのように学習しているかです。
ここでは、不適切なマスターベーションの主な例を2つ取り上げ、その問題点を解説します。
速射マスターベーションの悪影響
まず、最も多いパターンが「できるだけ短時間で射精して終わらせようとする」マスターベーション習慣です。
限られた時間の中でサッと済ませたい、早く射精すればスッキリするといった考えから、急いで刺激を与え、脳を“速射”モードに慣らしてしまうケースがあります。
この「速射マスターベーション」を繰り返すと、脳と身体は「刺激を受けてすぐに射精するのが通常」というパターンを覚えてしまい、実際の性行為でも少しの刺激や緊張が加わっただけで射精を促進するようになります。
結果的に、射精までの時間を自分でコントロールしづらくなり、早漏を招きやすくなるのです。
射精コントロール機会の欠如
マスターベーションは、本来「射精をコントロールする練習の場」にもなり得ます。
例えば、刺激を与えて射精しそうになったタイミングでいったん休憩を入れ、興奮を落ち着かせてから再開することで、自分の射精の“波”やタイミングを学習することができます。
しかし、常に同じリズム・同じ方法で一気に射精するやり方ばかり続けていると、射精コントロールの技術を身につける機会がほとんどありません。
いざ性行為になったときに「もうちょっと我慢したい」と思ってもコントロールが効かず、我慢しきれずに射精してしまう恐れが高くなってしまいます。
不適切なマスターベーションが早漏を悪化させるメカニズム
不適切なマスターベーションによって早漏が引き起こされる背景には、大きく分けて3つのメカニズムが関わっています。ここでは、脳や神経系の誤学習がどのように早漏を促進するのかをもう少し詳しく見ていきましょう。
脳の射精反射経路の短絡化
射精は、性的興奮や刺激が脳に伝わり、最終的には脊髄の射精中枢を経て筋肉の収縮が起こることで成立します。
通常であれば、脳内でセロトニンやドーパミンなどの神経伝達物質がバランスを取りながら「いつ射精するか」を調整しています。
しかし、「短時間で射精する」マスターベーションを繰り返すと、脳は「刺激が入ったらすぐ射精するものだ」という経路を強化してしまいます。
いわば射精反射の回路がショートカットされるように学習し、実際の性行為でも軽度の刺激や興奮で射精スイッチが入りやすくなってしまうのです。
交感神経の過剰刺激が招く早漏リスク
男性の性機能には副交感神経と交感神経の両方が関与していますが、射精に直接関わるのは交感神経が中心です。
過度な興奮状態や緊張状態に陥ると交感神経が活発になり、ノルアドレナリンの分泌増加や血管の収縮などが起こりやすくなります。
こうした作用は本来、性的快感を高めたり射精動作をスムーズにしたりするためのものですが、過剰に働くと一気に射精を促進してしまいます。また、早漏への不安や焦りがあると、それ自体が緊張を生み出し、さらに交感神経を刺激する悪循環が生まれがちです。
強い刺激を「射精の合図」として誤学習する危険性
普段から一定の刺激でしか自慰をしていなかったり、あるいは特定の偏った刺激だけに慣れていると、実際の性行為で得られる刺激の大きさに身体が驚いてしまいます。
脳は「こんなに強い刺激を受けたなら、もう射精していいはずだ」という“思い込み”を形成しやすくなるため、ほんの少し性行為が盛り上がっただけでも急速に射精感が高まるのです。
このように、不適切なマスターベーションは射精への過敏性とコントロール力の低下を同時に招き、それが複合的に絡み合って早漏を引き起こす要因となります。
正しいマスターベーションとは?早漏予防・改善のポイント
では、早漏を防ぎ、あるいは改善するために、どのようなマスターベーションが望ましいのでしょうか。
ポイントは以下の4つです。
・射精までの過程をゆっくり楽しむ
・興奮レベルを意識的に上下させ、我慢の感覚を身につける
・刺激の強さや方法に変化を持たせる
・「一気にゴール」ではなく「長く快感を味わう」意識を持つ
たとえば、マスターベーション中に「そろそろ射精しそう」というタイミングが来たら、いったん刺激を緩めて興奮を落ち着かせる練習をしてみましょう。
射精感が落ち着いたら再度刺激を加えて、再び高まりを感じたらまた休む。
これを何度か繰り返してから、最終的に射精に至るようにするのです。
このように射精コントロールの機会を設けるだけでも、普段の身体と脳の学習パターンが「即・射精」ではなくなり、早漏改善に役立ちます。
もちろん、個人差があるため効果が実感できるまでには継続が必要ですが、薬に頼らず根本的に射精をコントロールできる力をつけたい人にはとても重要なアプローチです。
オナ禁は効果的?早漏改善との関係を考える
早漏の対策を検索していると必ずといってよいほど目にするのが「オナ禁(オナニーを一定期間控えること)の効果はどうなのか」という疑問です。
オナ禁のメリットやデメリットについては諸説あり、実際に「オナ禁して早漏が改善した」という人もいれば、「逆に欲求が高まって本番であっという間に終わってしまった」という人もいます。
オナ禁が早漏に効果を発揮すると言われる理由の一つは、「射精頻度を下げることで、脳や身体が『いつでも射精してOK』という状態から抜け出せるのではないか」という考え方です。
一方で、オナ禁によって性欲が極端に高まり、いざ性行為に及んだときに興奮しすぎてしまい、早漏になってしまうリスクもあるため、一概に「オナ禁すれば必ず改善する」とは言えません。
もしオナ禁に挑戦してみようという場合でも、過度な期待を持たず、自分の身体の反応を客観的に観察しながら進めるのが望ましいでしょう。
薬に頼らない 根本から早漏対策
早漏改善といえば真っ先に「内服薬」や「早漏防止用の外用薬」を思い浮かべる人も多いかもしれません。
医療的なアプローチは確かに即効性がある一方、副作用のリスクや根本的な射精コントロール力の獲得には繋がりにくいというデメリットもあります。
そこで、薬に頼らないで早漏を克服したい方に向けた3つの対策を紹介します。
早漏トレーニングカップの活用方法
早漏対策にはさまざまな方法がありますが、その中でも注目を集めているのがTENGAヘルスケアさんから出ている「メンズトレーニングカップ キープトレーニング」シリーズです。
これは、5種類のカップを段階的に使い分けることで、射精のコントロール力を徐々に高めていくことを目的としたアイテムです。
特に日本では早漏の治療薬が未認可という現状もあり、「薬に頼らずに早漏を改善したい」という方にとって有力な選択肢となっています。
メンズトレーニングカップは、硬さ(刺激)の異なる5種類のカップを順番に使用することで、少しずつ刺激に慣れつつ射精コントロールを習得できるよう設計されています。
Lv.1 … もっとも素材が柔らかく、刺激が弱い仕様
Lv.2~Lv.4 … 徐々に刺激が強くなる中間レベル
Lv.5 … 刺激が強く、本番に近い感覚でトレーニング
特に、刺激に対して敏感になっている方や、通常のマスターベーションでもあっという間に達してしまう方は、最初にLv.1でトレーニングを始めることで無理なく進められます。
いきなり強い刺激に挑む必要がないため、早漏改善初心者でも安心して取り組めるのが大きなメリットです。
骨盤底筋トレーニングの重要性と実践法
骨盤底筋とは、骨盤の底部に位置する一連の筋肉群で、排尿や排便のコントロール、内臓の支持などの働きをもっています。
実はこの筋肉は性機能とも深く関わりがあり、骨盤底筋を鍛えることで勃起力の維持や射精コントロール力の向上が期待できます。
具体的なトレーニング方法としては、以下の流れです。
1) まずは骨盤底筋の位置を確認する
放尿中に尿を止める感覚を意識する、あるいは肛門をキュッと締めたときに陰茎付け根との間(会陰)に力が入るかどうかを確認します。ここに力が入るなら、それが骨盤底筋です。
2) 基本の収縮運動
座っていても、立っていても、仰向けに寝ていても構いません。
リラックスした状態で肛門をキュッと締め、そのまま5秒キープし、ゆっくり力を抜きます。これを10回行い、1日3セットからスタートすると良いでしょう。
慣れてきたら回数やセット数を増やしていきます。
3) 緩め方も意識する
力を入れるだけでなく、しっかりと緩める(弛緩させる)感覚も覚えることが重要です。
緩む感覚が分からない場合は、お尻まわりの筋肉をすべて脱力させるイメージを持つとよいでしょう。

このトレーニングを毎日コツコツ続けることで、射精時の瞬発的なコントロールや勃起力の維持をサポートできます。
何か特別な器具を用意する必要はなく、仕事の合間や通勤時間など、ちょっとした隙間時間を活用できる点も魅力です。
専門医への相談やカウンセリングの意義
早漏に関しては、精神的な要因も大きく影響する場合があります。
自分でトレーニングを行ってもなかなか効果が出ない、セックスそのものに強い緊張やトラウマを感じる、といった悩みがあるときは泌尿器科や専門のクリニックで相談してみるのも一つの手段です。
カウンセリングでは、セックスに対する過度なプレッシャーや不安、パートナーとのコミュニケーション不足などの要因が潜んでいないかを専門家が一緒に考えてくれます。
必要であれば治療薬を使いながら精神面のケアを進めるケースもありますが、薬に頼らなくても十分に改善が見込める例は多々あるため、まずは相談先を見つけるところからスタートしてみましょう。
まとめ
早漏は身体的な問題だけでなく、普段のマスターベーション習慣や心理的な要因が複雑に絡み合って引き起こされる場合が少なくありません。
特に「短時間で射精を済ませようとする」「同じやり方で一気にゴールするだけ」といった不適切なマスターベーションを続けていると、脳と身体が誤った射精タイミングを覚えてしまい、結果的に早漏を招くリスクが高まります。
しかし、一度不適切な習慣を身につけたからといって、あきらめる必要はありません。
マスターベーション方法を見直し、射精をコントロールする練習を重ねたり、骨盤底筋を鍛えたり、専門医と連携しながら根本的な解決を目指すことは十分に可能です。
早漏の悩みを解消することで、セックスに対する自信やパートナーシップの質が向上し、生活全般の満足度も高まるケースが少なくありません。
恥ずかしさから一人で悩んでしまう人も多いですが、正しい知識を得て適切な対策を取れば、改善の可能性は大いにあります。ぜひ今回の記事を参考に、自分に合ったアプローチを見つけてみてください。
