妊活

【男性妊活】精子の質を高める・精液量を増やす方法|食事・生活習慣・サプリの考え方

【最初に押さえたい男性妊活の結論】

  • 精子の質と精液量は「生活習慣 + 栄養状態」で大きく変わる  
  • 精子は約90日で作り替わるため、3か月の取り組みが基本  
  • 改善の軸は、亜鉛・抗酸化成分(コエンザイムQ10・ビタミンC/E)+ 睡眠・運動・ストレス管理  
  • 現代の食生活では不足しがちな栄養も多いため、必要に応じてサプリで補助する

妊活というと女性が主体になりやすいイメージがありますが、近年では「不妊の約半数は男性側にも原因がある」と言われており、男性側の妊活がとても重要視されています。

特に、「精子の“数と質”と精液の“量”」は、妊娠率に影響する要素として注目されているポイントです。

精子は約90日サイクルで新しく作られるため、生活習慣や栄養状態を見直すことで、3か月後の精子から変化が期待できることもあります。

この記事では、精子の数と質を高める方法、精液量を増やすためのポイント、そして男性妊活におけるサプリメントの考え方を詳しく解説します。

男性妊活で「精子の数と質」と「精液量」が重要な理由

1-1. 精子の数と質(運動率・形態・DNA損傷)が妊娠率に与える影響

精子の質とは、主に「精子の運動率」「正常形態率」「DNA損傷率」などを指します。

精子の数に加え、これらは精子が卵子にたどり着き、受精し、その後の胚発育につながるために非常に重要な要素です。

特に近年注目されているのは、精子DNAの損傷(SDF:Sperm DNA Fragmentation)です。

DNA損傷が多いと、受精しても着床しづらかったり、受精卵が育ちにくい場合があるため、生活習慣や栄養改善の重要性が強調されるようになってきました。

1-2. 精液量が少ない場合に起こりやすい問題

精液量が少ないと運動率や濃度も低くなる傾向があります。

WHO基準は「1.4ml以上」ですが、これは下限値なので、これを超えていれば良いというわけではありません。

精液量は個人差が大きいため “一般的には2〜5ml程度が多い”とされています。

精液量の低下は、これらが影響している可能性があり、生活習慣の改善で変化することもあります。

  • 水分不足
  • 亜鉛不足
  • 射精間隔
  • ホルモンバランスの乱れ

1-3. 男性側の生活習慣がどのように影響するのか

精子は影響を受けやすいため、以下の生活習慣は精子の質の低下を招きます。

  • 睡眠不足
  • ストレス
  • 喫煙
  • 過度な飲酒
  • 高温環境
  • 加工食品中心の食生活

「生活習慣で改善できる余地が大きい」という点が、男性妊活での大きなポイントです。

1-4. ストレスと精子DNA損傷の関係

男性妊活では、ストレス対策が精子の“質”を守る重要なポイントです。

ストレスが精子に影響を与えることが分かっています。

①ストレスホルモン(コルチゾール)の増加

強いストレスが続くと、体内のコルチゾールが増加し、精巣の働きが低下することがあります。

その結果、精子形成がうまく進まず、DNA損傷が増えやすくなると言われています。

②酸化ストレスによるダメージ

ストレスは体内の活性酸素を増やし、精子の細胞膜やDNAが傷つきやすくなります。

喫煙や睡眠不足と組み合わさると、さらに影響が大きくなることがあります。

③血流低下の影響

ストレスで交感神経が優位になると血流が低下し、精巣の環境が悪化することがあります。

血流が悪いと、精子の“成長の場”が整わず、質が低下しやすくなります。

精子の質を守るためには、睡眠・適度な運動・気分転換などのストレスケアが非常に重要です。

今の精子量・精子の質は正常?改善が必要な目安(WHO基準)

「精子を増やしたい」「精液量が少ない気がする」という男性にとって、まず知っておきたいのが WHOの精液所見の基準値(下限値) です。

2-1. WHOが定める精液所見(正常値の目安)

以下は、WHO(世界保健機関)の精液基準(第6版)で定められた基準値(下限値)です。

項目下限値(WHO第6版)
精液量1.4 mL以上
総精子数3,900万以上 / 射精
精子濃度1,600万 / mL以上
総運動率(Total motility)42%以上
正常形態率4%以上

これらの値は“妊娠しやすさ=受精のしやすさ”に関わる重要な指標です。

※精子は日々変動するため、複数回の検査で判断されるのが一般的です。

出典:World Health Organization WHO “Laboratory Manual for the Examination and Processing of Human Semen”, 6th Edition(2021年)

2-2. 改善が必要な可能性があるサイン

以下に当てはまる場合、生活改善や栄養見直しの優先度が上がります。

  • 精液所見が基準値を下回っている
  • 射精量が急に減った
  • 勃起力の低下を感じる
  • 日常的にストレス・疲労感が強い
  • 連日の飲酒・喫煙習慣がある

これらは、生活習慣+栄養改善に取り組む優先度が高い状態です。

ただし、これらのサインが無くても精子ケアは取り組むべきでしょう。

2-3. 改善は3か月続ける

精子は約 90日(3か月) かけてつくられます。

そのため、この記事で紹介する食事・生活習慣・サプリで改善は3か月は続けましょう。

また、最初に一度医療機関(泌尿器科や男性不妊の治療を行っているクリニック)に相談することをおすすめします。

精子の質を高めるために重要な栄養素

【まず優先して摂りたい3成分】

  • 亜鉛(精子濃度・ホルモン)
  • 葉酸(DNA損傷対策)
  • 抗酸化成分(運動率)

この3つが “男性妊活の中心軸” で、研究報告が多く、改善効果も出やすい成分です。

3-1. 亜鉛:ホルモンと精子形成に不可欠

亜鉛は精子形成に不可欠で、不足すると精子濃度・運動率が低下することが知られています。

実際に、亜鉛を補給した臨床試験では 精子濃度が約74%改善し、運動率も有意に上昇したことが報告されています。※1

亜鉛は精巣の機能と男性ホルモンの生成に深く関わるミネラルであり、妊活期に特に重要とされています。

含まれる食品:牡蠣、牛肉、卵、ナッツ類など。

※1 出典:National Library of Medicine / PubMed「Effects of folic acid and zinc sulfate on male factor subfertility」(PMID: 11756474)

3-2. 葉酸:DNA損傷の予防に関わるビタミン

葉酸はDNA合成・修復に関わり、精子のDNA断片化率を低下させる可能性があるとされています。

葉酸 + 亜鉛を組み合わせた男性不妊症例では、総精子数が改善したという研究があります。※1

葉酸は女性の妊活だけでなく、男性側でも欠かせない栄養素です。

含まれる食品:緑黄色野菜、レバー、豆類など。

3-3. 抗酸化成分(コエンザイムQ10・ビタミンC/E):精子を酸化ストレスから守る

※CoQ10 = コエンザイムQ10

精子は酸化ストレスに弱く、運動率や形態に影響が出ることがあります。

抗酸化成分は酸化ストレスから細胞を守る働きがあり、妊活のサポートになります。

抗酸化成分である「CoQ10」を摂取した男性において、精子運動率が約2倍に改善したという臨床試験が報告されています。

出典:National Library of Medicine / PubMed「Coenzyme Q10 treatment in infertile men with idiopathic asthenozoospermia」(PMID: 18387652)

ストレスが強い男性には特に効果が期待できます。

CoQ10(特に還元型)はミトコンドリアのエネルギー代謝をサポートし、精子の運動能力の向上に寄与します。

含まれる食品:青魚、肉類、ナッツ類、卵など。

3-4. DHA/EPA・L-カルニチン:運動率に関わる成分

細胞膜の柔軟性に関わるDHA/EPAは、精子の運動性に影響する可能性があります。

L-カルニチンは精子のエネルギー代謝に関与し、臨床試験では 精子運動率の有意な改善 が示されています。

運動率低下がある男性において、L-カルニチンは有力な補助成分として位置づけられます。

出典:National Library of Medicine / PubMed「A placebo-controlled double-blind randomized trial of L-carnitine therapy in asthenozoospermic men」(PMID: 15037404)

精液量を増やすために意識したいポイント

4-1. 体内の水分・亜鉛・セレンの不足に注意

精液の大部分は水分で構成されているため、水分摂取は非常に重要です。

また、亜鉛やセレンは精液の形成にも関わっています。

4-2. 射精頻度と精液量の関係

禁欲すると妊活にプラスだと考える方もいらっしゃいますが、禁欲は精子の質を低下させるのでオススメしません。

なるべく毎日射精して、新しい精液に入れ替えるのがベターです。

ただし、毎日射精すると精液が溜まりきらず、1回当たりの射精量は減るので、タイミング法や人工授精に取り組んでいる場合は、医療機関の指示に従いましょう。

4-3. 過度な飲酒・喫煙・ストレスが与える影響

精子形成はホルモンに大きく影響されるため、喫煙・飲酒・ストレスは量・質ともに悪影響を与える可能性があります。

食事から必要な栄養を摂るためのコツ

5-1. 精子作りに必要な食品を日常に取り入れる方法

以下のようなバランスの良い食事を心がけてみてください。

  • 魚と肉をバランスよく選ぶ
  • サラダだけでなく温野菜も
  • 卵・大豆製品を毎日1回は摂る
  • 果物を1日に1皿
  • 海藻・ナッツ・きのこ類を取り入れる

5-2. 避けたい食生活(加工食品・脂質・糖質の偏り)

加工食品・ジャンクフードは酸化ストレスの増加やホルモンバランスへの悪影響が指摘されています。

揚げ物や砂糖の多い食品の摂りすぎにも注意が必要です。

5-3. 精子の質と量のために摂りたい食材例

  • 牡蠣(亜鉛)
  • ほうれん草(葉酸)
  • アーモンド(ビタミンE)
  • 青魚(DHA/EPA)
  • 卵・牛肉・鶏肉(たんぱく質・CoQ10)

男性妊活におけるサプリメントの賢い使い方

亜鉛や葉酸など、食事だけでは十分に摂りにくい栄養素もあるため、サプリメントを補助的に使うのはオススメです。

ただし、あくまで「不足分を補う手段」として利用するのが基本です。

6-1. 妊活サプリを選ぶときのポイント

サプリ選びでは以下を参考にしてください。

  • 必要な栄養素が適量含まれている
  • 成分の過剰摂取にならない
  • 医師や医療機関でも推奨されている
  • 長期摂取しやすい設計である
  • 添加物が控えめである

また、妊活サプリは「何が入っているか」だけでなく、どの“形態”の成分かも重要です。

亜鉛:ピコリン酸亜鉛 → 吸収率が高い

葉酸:モノグルタミン酸型 → 生体利用率が高い

CoQ10:還元型 → 体内利用率が高い

同じ成分量でも、形態によって吸収性・有効性が大きく変わります。

6-2. 男性妊活でサプリを取り入れる意味

サプリは妊活の“主役”ではありませんが、不足を補うための実用的なサポート手段として活用できます。

①精子づくりには複数の栄養素が必要

精子が成熟するまでには約90日かかり、その間に必要な栄養素は多岐にわたります。

  • 亜鉛
  • 葉酸
  • CoQ10
  • ビタミンC / E
  • DHA / EPA

毎日の食事でこれらを“安定して”摂り続けるのは難しいため、サプリで補う方も多くなっています。

②現代の食生活では不足しがちな成分が多い

外食中心・忙しい生活では、亜鉛や葉酸が不足しやすく、精子形成に影響することがあります。

サプリなら必要な成分だけを効率よく摂れるメリットがあります。

③90日間、栄養状態を安定させやすい

精子形成に必要な“3か月以上”、同じ栄養状態を保つ必要があります。

サプリは、多忙な方でも栄養のばらつきを抑える手段として有効です。

6-3. あくまでもサプリは男性妊活での土台づくり

サプリメントは男性妊活の重要なサポートになりますが、「サプリだけで妊娠率が大きく上がる」というものではありません。

精子の質や精液量は、睡眠・食事・ストレス・生活環境 の影響が大きく、サプリは不足しやすい栄養素を補う“土台づくり”の役割が中心です。

また、妊活サプリと精力剤は目的が異なります。

妊活サプリ:亜鉛・葉酸・抗酸化成分など「精子形成の材料・要素」を補う

精力系サプリ:アルギニン・シトルリンなど「一時的な血流サポート」が中心

精子の質を上げるには、体の中で精子をつくるための栄養がきちんとそろっていることが大切です。

そのため、血流を良くするなど即効性のある成分だけでは、大きな改善にはなりません。

6-4. 妊活サプリは“上限値(UL)”も意識する

妊活期は必要以上に摂っても逆効果になることがあります。

  • 亜鉛の上限値:40mg / 日
  • 葉酸の上限値:1,000μg / 日

ULを超えると吸収バランスが崩れたり、ホルモンに影響する可能性があります。

6-5. 医療的に良質と判断できるサプリの条件

  • 必要成分が妥当量で配合  
  • ULを超えない安全設計  
  • GMPなど品質管理が明確  
  • 長期摂取しやすいバランス

精子の質と精液量を改善する生活習慣

7-1. 睡眠・運動・ストレス管理の基本

睡眠不足はホルモンバランスに影響し、運動不足は代謝や血流を低下させます。

週2〜3回、20分程度の運動から始めてみましょう。

■妊活期に推奨される運動量

  • 週150分の中強度運動(WHO基準)
  • 有酸素+軽い筋トレの組み合わせ
  • 肥満改善で精子の質が向上した報告もあり

7-2. 精巣を温めすぎないための注意点

精巣の適温は、体温より低い34~35℃程度のため、サウナ・長時間の入浴・膝の上でのPC作業などは控えましょう。

陰嚢温度がこれ以上になると精子形成が低下します。

■精巣を守るための温度管理の目安

  • サウナは10〜15分が目安
  • 膝上ノートPC → 陰嚢温度が 5℃上昇する報告
  • 車のシートヒーターも要注意

7-3. 禁煙・節酒が精子質改善に与える影響

喫煙は精子DNA損傷と関連する報告が多く、飲酒もホルモンに影響します。

可能な範囲で控える習慣を身に付けてください。

■喫煙・飲酒が精子に与える科学的影響

  • 喫煙:精子DNA断片化が増加
  • 飲酒:テストステロンが低下 → 精子形成に悪影響

生活習慣の改善で最も効果が出やすいポイントです。

今日から始める男性妊活の実践ステップ

8-1. 最初の1週間で取り組むべきこと

  • 1時間早く寝る
  • 毎食たんぱく質を摂取する
  • 水を1日1.5L飲む
  • 飲酒を半分に減らす

8-2. 90日サイクルで体が変わる理由

精子は約90日で作られるため、3か月続けると効果的です。

  • 精子は「成長 → 輸送 → 射出」の3段階で約90日
  • 最初の改善効果は“45日ごろ”に出やすい

8-3. 精液量を増やすために意識したいポイント

精液量は、生活習慣の影響を大きく受ける指標です。

今日から以下を意識してみてください。

  • 十分な水分(1.5L)
    → 精液の主成分は水分。脱水は精液量低下の一因。
  • 亜鉛・セレンの補給
    → 射精量・精子濃度に関わるミネラル。
  • 適度な運動(血流改善)
    → 運動率向上・ホルモンバランス改善の研究多数。
  • 加工食品を控える(酸化ストレス対策)
    → 加工食品に多いトランス脂肪酸・酸化脂質は、精子濃度やDNA損傷と関連する報告がある

※「加工食品そのものが悪い」というより、加工食品に多い脂質・糖質・酸化物が精子形成に悪影響を与えやすい点を意識しましょう。

まとめ

男性妊活では、精子の質と精液量の両方を意識することが大切です。

栄養・睡眠・運動・ストレス管理など、多くは生活習慣の改善によってサポートできます。

まずはできる範囲から整えていきましょう。

また、サプリや生活習慣の改善は、パートナーと一緒に取り組むことで習慣が続けやすくなり、妊活により前向きに取り組めるでしょう。

  • 食事の改善を2人で取り組むことで無理なく続く
  • 睡眠やストレスケアを共有できるため習慣化しやすい
  • 男性側が妊活を主体的に行うことで、女性側に精神的負担が偏らない

妊活を「1人で頑張るもの」ではなく、“2人で生活リズムを整える取り組み” として進めることが成功のポイントです。

さらに、亜鉛・葉酸・抗酸化成分などは現代の食生活で不足しやすいため、必要に応じてサプリで栄養管理をサポートする男性も増えています。

自分に合った方法を無理のない範囲で続け、今日からできる妊活を始めてみてください。

オススメの男性妊活サプリメント

最後に、どのサプリを飲めば良いか分からない!という方のために、オススメのサプリを紹介します。

TENGAヘルスケアの『セイークプラス』は、今回紹介した亜鉛、葉酸、コエンザイムQ10(還元型)、その他抗酸化物質(プリマビエ)、そして各種ビタミンも厚労省の基準量で配合されています。

また、ストレス軽減に繋がるGABAも配合されています。

還元型コエンザイムQ10とGABAは機能性表示食品と同等量で配合されているので、特に睡眠の質改善で体感を得られる方もいるでしょう。

一言で言えば、健康に良い成分が広く含まれていて、健康=精子も良くなる、のでオススメです。

<この記事の著者>

福元メンズヘルスクリニック 院長
福元 和彦(医師)

■泌尿器科医 ■性機能学会専門医 ■抗加齢医学会専門医 ■排尿機能学会認定医

福元メンズヘルスクリニック

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